妊産婦の栄養

公開日 2024年10月4日

妊産婦の食の基本 

お母さんの健康と赤ちゃんの健やかな発育のために、食事はとても大切です。1日3食とること、特定の料理や食品に偏らないバランスのとれた食事をとることが基本です。特に妊娠中期(5か月以降)から授乳期は、普段より副菜、主菜、果物などを多くとるなどして、必要なエネルギーや栄養素をしっかりとりましょう。
        バランス食
「健やか親子21」(2次)妊産婦のための食事バランスガイド

妊娠中の体重増加は、お母さんと赤ちゃんにとって望ましい量に

妊娠中は、赤ちゃんや胎盤、羊水、母体の子宮や乳房の増大などのため、適正な体重増加が必要です。妊娠中の望ましい体重増加量は、妊娠前の体型によっても異なります。日本産科婦人科学会が提示する「妊娠中の体重増加指導の目安」を参考に、食事の内容、とり方、生活のしかたを考えて体重の増え方が順調か、医師や助産師の助言を受けながら見守りましょう。
           妊娠中の体重増加指導の目安

妊娠前の体格 体重増加指導の目安
低体重(やせ):BMI18.5未満      12~15kg
  ふつう  :BMI18.5以上25.0未満      10~13kg
肥満(1度) :BMI25.0以上30.0未満      7~10kg
肥満(2度) :BMI30.0以上 個別対応(上限5kgまでが目安)   

簡単BMI計算はこちらからBMIチェックツールeヘルスネット(厚生労働省)

貧血予防のために

貧血を防ぐためには、欠食を避け栄養のバランスがとれた食事を毎日きちんととることが大切です。鉄分の補給については、吸収率が高い鉄分が多く含まれる赤身の肉や魚などを上手に取り入れるように心がけましょう。また、鉄分の吸収率を高めるたんぱく質やビタミンCが含まれる食品をとることも大切です。
良質のたんぱく質、鉄、ビタミンなどを多く含む食品(卵、肉類、レバー、魚介類、大豆類(豆腐、納豆など)、緑黄色野菜類、果物、海草(ひじきなど)を上手にとり入れましょう。
               鉄分を多く含む食品   
    鉄分食品        
eヘルスネット「貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう

丈夫な骨や歯をつくるために     

生まれてくる赤ちゃんの骨や歯を丈夫にするためには、カルシウムだけでなく、たんぱく質、リン、ビタミンA・C・Dの栄養素を含む食品をバランス良くとることが大切です。産後もバランスのよい食生活を継続し、赤ちゃんとお母さんの健康を保ちましょう。
               カルシウムを多く含む食品   
     カルシウム         

葉酸摂取について

赤ちゃんの二分脊椎など神経管閉鎖障害の発症予防のため、妊娠前から妊娠初期の女性は、食事に加えサプリメントなどによって付加的に1日あたり400マイクログラムの葉酸摂取が望まれます。ただし、とりすぎには注意が必要です。
※神経管閉鎖障害とは、妊娠初期に脳や脊髄のもととなる神経管と呼ばれる部分がうまく形成されないことによって起こる神経の障害です。葉酸不足の他、遺伝などを含めた多くの要因が複合して発症するものです。
                葉酸を多く含む食品
 葉酸  葉酸多い食品    

妊娠高血圧症候群の予防のために

妊娠高血圧症候群の予防のためには、睡眠、休養を十分にとり、過労を避け、望ましい体重増加になるように心がけましょう。毎日の食事はバランスのとれた内容とし、砂糖、菓子類は控えめにし、脂肪の少ない肉や魚、そのほか乳製品、豆腐、納豆など良質のたんぱく質や、野菜、果物を適度にとり、薄味を心がけましょう。
               無理なくできる減塩対策
      減塩

魚介類に含まれる水銀について

魚介類は良質なたんぱく質や微量栄養素を多く含みます。魚介類の一部には、食物連鎖を通じて、高い濃度の水銀が含まれているものもあり、 胎児に影響するおそれがあるという報告もあります。水銀濃度が高い一部の魚だけに偏って毎日たくさん食べることは避けましょう。
厚生労働省 お魚について気を付けてほしいこと[PDF:3.52MB]

妊娠中の食中毒予防について

妊娠中は、免疫機能が低下して、食中毒など食べ物が原因の病気にかかりやすくなっています。妊婦にとって特に注意が必要な病原体として、リステリア菌とトキソプラズマ原虫が挙げられます。また、お母さんに症状が無くても、赤ちゃんに食品中の病原体の影響が起きることがあります。感染を防ぐため、妊娠中は生ハムや加熱殺菌していないナチュラルチーズなどをなるべく避け、食品を十分に加熱して食べましょう。そして、食中毒予防のために、日頃から食品を十分に洗浄し、加熱するなど、その取扱いに注意しましょう。
食べ物について知ってほしいこと食中毒チラシ

タバコ・アルコール・カフェインについて

タバコもお酒もNGです。妊婦さんだけでなく、周囲も禁煙を。飲酒は、妊娠・授乳期ともに、この量なら大丈夫という指標はありません。基本は控えましょう。カフェインのとりすぎにも注意しましょう。コーヒーなどカフェインを含むものは1日1,2杯まで。胎盤を通過してお腹の赤ちゃんにも成分が届いてしまいます。また、カフェインは鉄の吸収を阻害するため食事に影響しない時間に。
                    禁酒禁煙               

産後の食事

出産後のお母さんの身体は、ゆっくりと元の状態に戻ろうとします。身体の回復のためにも、良質な母乳のためにも妊娠中と同様、1日3食バランスよく食べることが大切です。授乳期の母乳の出方には個人差があります。母乳のみにこだわらず、足りないときは育児用ミルクを使うなどしてゆったりと過ごしましょう。
           <産後のママが元気になる食事>

  • 主食(ごはん、パン、麺など)をしっかり食べる
  • 良質で低脂肪のたんぱく質(鶏ささみ、鶏むね肉、赤身肉、白身魚など)を食べる
  • 体を温める根菜類(ごぼう、大根、人参、れんこんなど)を食べる
  • 汁物を取り入れて、水分の補給をする
  • 油、砂糖、食塩は控えめにする
  • アルコールやカフェインは控える

産後の食事では、育児や授乳の合間でとれる「片手で食べられる食事」がおすすめです。

母子健康手帳情報サイト「授乳期の栄養
妊娠中・産後のママのための食事BOOK   
産後のママ                 

妊産婦の食事についての詳しい情報

・厚生労働省 「妊娠中、育児中のご自身の食事や赤ちゃんの食事に関する情報提供
・子ども家庭庁「妊娠中と産後の食事について
・国立健康・栄養研究所「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指妊産婦の栄養 

お問い合わせ

健康福祉部 健康づくり課 母子保健係
TEL:0269-22-2111(388,385)

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