【私の提言】(仮称)中野市美術館建設・予定地(案)について

公開日 2025年10月15日

2025年8月12日受付

提言

 市長は、中野市立図書館に行かれたことはありますか? 月に何度利用されていますか? 気持ちの良い心爽やかになる場所だと思いませんか? どこの市町村にもない図書館だと思いませんか?

 緑の森に囲まれた図書館は、中野市民の宝です。聞くところによると、これらの森の樹木は、図書館を建設する際に、自然・環境教育のため、1本1本種類も選定され植樹されたそうです。これらの樹木を切り倒してしまったら、元に戻すのに何年かかるかわかりません。

 

 それから、美術館建設予定地は埋蔵文化財包蔵地です。「西条・岩船遺跡群」のど真ん中です。遺跡は後世の人たちのために手を着けず保存されることが最良ですが、半永久的な建物・道路を建設する際には、最低限発掘調査を行い記録保存を行うことが「文化財保護法」に規定されています。美術館を建設されたいなら、遺跡のないところに建設をお勧めします。昨今、多くの小学校の統廃合等で空いてきている大きな建物があります。古民家も大分空き家となっています。それらのリノベーションによる活用を考えた方が良いのではないでしょうか? 発掘調査を行えば、1年以上の工期延長は必至です。中野市教育委員会2014『長野県中野市遺跡詳細分布図(改訂版)』、中野市HPのTOP>組織>教育委員会事務局>生涯学習課>文化財係にも分布図(南部)は、ご覧になりましたか?

 

 さらに、私は長野県立歴史館で学芸員をしています。今回の美術館の展示内容を伺うと、現在あるソソラホールの展示スペース・ホワイエで十分だと思われます。ミニという言葉でごまかさず、本格的な美術館は造る意義はあると思います。それには、収蔵庫も含め今回の4倍以上の規模が必要です。学校校舎美術館等の発想はないのでしょうか?

 以上、(仮称)中野市美術館建設・予定地(案)については、再検討が必至です。このままこの計画を進めれば、湯本市政の大きな汚点として、未来永劫、中野市民に語り継がれることでしょう。市長の賢明なご判断を。

 

回答

 美術館建設につきましては、

 ・整備規模を確保できる市有地であること

 ・アクセスの良い場所であること

 ・他の公共施設、民間施設との連携が図れること

 以上3つの観点から、候補地を選定し、さらに、法規制、景観面、環境配慮等の観点も加え、総合的に評価したうえで最終的に「市立図書館」敷地を選定いたしました。

 また、次世代を担う子どもたちが、楽しみながら文化芸術と触れ合い、学び、感性を養える場を提供するため、図書館と連携した取り組みを行うこともコンセプトの一つと考えております。

 なお、ご意見がありましたとおり、美術館建設の予定地につきましては、埋蔵文化財包蔵地に該当することを確認しておりますので、今後、必要となる措置を充分に講じたうえで対応して参ります。

 

 このたび、今後の建設に向けた基本設計・実施設計業務を行うに当たっての概略の計画案をお示ししたものですが、市民の皆様からのご意見を参考にしながら、貴重な緑の空間をできる限り残し、図書館とも一体となった魅力ある施設となる様努めて参りますので、ご理解とご協力をお願いします。

 

お問い合わせ

文化スポーツ振興課 文化振興係 電話(22)2111 内線394

ページの先頭へ