中野市指定文化財【無形文化財】

公開日 2014年2月14日

更新日 2020年12月11日

中野土人形(中野人形)

 
指定 市無形文化財/2005年1月28日
所在地 中野市大字一本木
工芸技術保持者 奈良久雄

 中野土人形は土雛で、その製法は、表裏2枚の型枠に、良く練った粘土を押しつけ型抜きし、表と裏を合わせて生地(人形)を作り、適度に乾燥させてから手作りの素朴な窯で焼成します。そして素焼きされた生地に伝来の方法で調合された胡粉を塗り、布で磨き上げ泥絵の具で絵付けし、最後に彩色された人形にニスを塗り、髪付けをして仕上げます。
 中野土人形は、奈良家によって作られるものと、西原家によって作られるものとがあって、両者を併せて中野土人形と呼称されていますが、その製作技術の導入時の経緯や作品(人形)の特徴から、奈良家の土雛は伏見系統に属し、西原家の土雛は三河系統に属する土雛と解されています。
 奈良家の人形は、江戸時代後期の文化の頃(約200年前)、行商人であった奈良栄吉氏が、京都伏見から人形型を持ち帰り、伏見人形師夫妻を2年間当地に移住させ、その製法を習い作ったのが始まりといわれ、現在の当主奈良久雄氏で5代目です。人形は教訓説話物や風俗物などをモチーフとしたもので、100種余の型枠がありましたが、現在作り継がれている人形型は90種ほどです。
 現当主である奈良久雄氏は、製作の技法を先代から学び覚え、昔ながらの技法で土雛を製作しており、その製作技術が継承されています。また生地造り、彩色等にあって古い伝統をふまえながらも独自の改良をかさね、卓越したデッサン力で風合いのある郷土土人形を現在も生み出しています。
 このような工芸技術を文化財に指定することは、後継者育成、技術の記録保存を図るという意味だけでなく、地域の生涯学習(文化活動)の大切な一翼を担っていることから、それらの活性化が期待できるという意味で重要です。

お問い合わせ

教育委員会事務局 生涯学習課 文化財係
TEL:0269-22-2111(424)

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